かなでほんちゅうしんぐら でんちゅうにんじょうのだん仮名手本忠臣蔵 殿中刃傷の段
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あらすじ
鶴が岡八幡宮で高師直に侮辱された桃井若狭助は、師直を斬り捨てようと殿中で待ち構えていたが、桃井家の家老加古川本蔵から賄賂を受けとっていた師直は、若狭助を見るやいなや鶴が岡での一件を詫び始め、追従を言う。気勢をそがれた若狭助は仕方なくその場を立ち去り、陰で見守っていた本蔵は胸をなでおろす。続いて現れた塩冶判官が奥方顔世御前からの文箱を師直に渡し、師直が中を見ると師直の恋を拒絶する和歌がしたためてあった。怒った師直は判官に、「遅参したのは妻に恋着するあまりか」と言いがかりをつけ、果ては「井の中の鮒」とまで罵倒する。腹に据えかねた判官は抜き討ちに斬りつけるが、本蔵に抱き止められて傷を負わせただけに終わる。