淡路人形座5月通常公演のご案内です

本日より5月です。淡路人形座では通常公演が、
『玉藻前曦袂 狐七化けの段』にかわります。
上演の詳細は下記をご参照くださいませ。
●通常公演
 演目「玉藻前曦袂 狐七化けの段」
  10:00~
  11:00~
  13:00~
  14:00~
  15:00~
10日のみ内容が変更いたします。
●通常公演
 
 演目「レクチャー」・「戎舞」
  10:00~
  11:00~
  13:00~
  14:00~
  15:00~
[レクチャーとは太夫・三味線・人形の解説をする事です。]
なお5月の水曜日(7・21・28日)はえびすプランと題し
開館いたします。
詳細は下記をご参照ください。
演目「人形解説」・「戎舞」
  10:00~
  11:00~
  13:00~
  14:30~
※ なお14日は施設改修工事の為、休館いたします。
「玉藻前曦袂 狐七化けの段」 解説・あらすじ
■ 解説
現在伝承されている『玉藻前曦袂』は、文化三年(一八〇六)大坂御霊境内芝居
初演の『絵本増補玉藻前曦袂』で、寛延四年(一七五一)大坂豊竹座初演『那須
野狩人那須野猟師玉藻前曦袂』を書きかえた五段続きの時代物です。読本『絵本
三国妖婦伝』(文化元年刊)をもとに、全段日本を舞台とする原作の構成を改め、
初段を天竺、二段目を唐土、三段目以降を日本のこととして物語を展開して
います。金毛九尾の妖狐が三国を股にかけて国家転覆を企み、天竺では班足王の
后花陽夫人、唐土では殷の紂王の后妲己、日本では鳥羽院寵愛の玉藻前に変化して
王や帝に近づきますが、最終的に失敗して那須の野が原の殺生石(妖狐が殺されて
この石になったという伝説がある)になるというのが全体の筋です。
人形のケレンの見せ場が多く、人形遣い主体の淡路の人形座が得意にした演目で、
昭和四十五年国立劇場の民俗芸能公演「淡路人形芝居」でも通し上演されて
います。大阪でも近代にかけて頻繁に上演された演目ですが、昭和九年浪花座を
最後に通し上演が途絶えてしまい、昭和四十九年国立劇場文楽公演で通し上演
された際には、「神泉苑」「景事化粧殺生石」が淡路の伝承をもとに復活されて
います。「狐七化けの段」は原作の大切「景事化粧殺生石」を改変したもので、
人形早替りの見せ場となっています。「七化け」(七変化)は本来、この段、
この作品のみのものではありませんでしたが、本作にだけ残り「玉藻前」
大切の通称となりました。人形遣いの衣裳まで次々に変わっていく早替りは
理屈抜きに楽しい場面です。淡路人形座だけに残る貴重な演出をどうぞお楽しみ
ください。
■ あらすじ
日本を魔界にしようと企んだ妖狐は陰陽の頭 安倍泰成の活躍で都を追われました。
那須野が原に飛び去った狐は討ち取られましたが、その執心は石にこもって殺生石
となりました。その狐の霊魂は、夜な夜な様々な姿(玉藻前→座頭→花笠→雷→狐→奴と辻君→奴)に変化して踊り狂います。
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