淡路人形座4月通常公演のご案内です
本日より4月です。淡路人形座では通常公演が、
『傾城阿波の鳴門 順礼歌の段』にかわります。
上演の詳細は下記をご参照くださいませ。
●通常公演
演目「傾城阿波の鳴門 順礼歌の段」
10:00~
11:00~
13:00~
14:00~
15:00~
27日のみ内容が変更いたします。
●通常公演
演目「傾城阿波の鳴門 順礼歌の段」
10:00~
15:00~
演目「人形解説」・「戎舞」
11:00~
13:00~
14:00~
[レクチャーとは太夫・三味線・人形の解説をする事です。]
なお4月の毎水曜日(2・23・30日)は水曜日特別メニューと題し
開館いたします。
詳細は下記をご参照ください。
演目「人形解説」・「戎舞」
10:00~
11:00~
13:00~
14:30~
※ なお9日、15日、16日は施設改修工事の為、休館いたします。
「傾城阿波の鳴門 順礼歌の段」 解説・あらすじ
■解説
「ととさんの名は十郎兵衛、かかさんはお弓と申します…」という順礼の娘
おつるのセリフがよく知られている『傾城阿波の鳴門』は、近松門左衛門の
『夕霧阿波鳴渡』を改作した近松半ニらの合作で、傾城夕霧とその恋人藤屋
伊左衛門の話に、阿波の藩主蜂須賀家(玉木家)のお家騒動をからませた
十段続きの時代物です。明和五年(一七六八)竹本座で初演されました。
現在では八段目の「十郎兵衛住家(順礼歌の段)」だけが上演されます。
盗賊の一味となっているために親と名乗れず、我が子を追い返す場面が最も
有名で、涙を誘います。
■あらすじ
十郎兵衛・お弓の夫婦は、徳島の玉木家の家宝国次の刀を探すため、大阪の
玉造に住み、十郎兵衛は名前も銀十郎と変え盗賊の仲間に入っていました。
お弓が留守番をしているところに手紙が届きました。十郎兵衛らの悪事が
露見し、追っ手がかかったので、早く立ち退くようにとの知らせでした。
お弓は夫の無事と刀の発見を祈って神仏に願をかけているところに、順礼の
娘が訪れます。国許に残してきた自分の娘と同じ年頃なので、話を聞いて
みると両親を探して徳島からはるばる旅をしてきたという身の上を語ります。
両親の名前を聞いてみると間違いなく自分の娘であることがわかりました。
今すぐに抱きしめ母と名乗りたい思いを抑え、盗賊の罪が娘に及ぶことを
恐れて、国へ帰るように諭します。そしてこのままここにおいて欲しいと
頼むおつるを、お弓は泣く泣く追い返します。おつるの歌う順礼歌が遠のくと、
お弓はこらえきれずに泣き崩れるのでした。しかし、このまま別れてはもう
会えないと思い直し、急いでおつるの後を追います。
「戎舞」 解説・あらすじ
■解説
戎さまは今では商売の神様にもなっていますが、もともとは海の神様でした。
淡路島では昔から漁村のお祭りで浜芝居が行われ、間狂言として大漁や航海の
安全を祈って必ず舞われていたのが「戎舞」でした。自分の狙う魚の大漁を
祈って欲しいと次から次に魚の名前を叫ぶ漁師さんに応え、太夫はその漁村で
捕れる魚の名前をずっと語り続けたそうです。人形が神事として遣われた古い
形を残した出し物で、太棹三味線の伴奏ではなく、太鼓で語ります。
■あらすじ
戎さまが釣竿をかついで淡路人形座へやってきました。庄屋さんはお神酒を
出します。さかずきを飲み干した戎さまは、自分の生まれや福の神であること
を話しながら舞い始めます。海の幸、山の幸を前にみんなの願いをかなえようと
お神酒を飲み、幸せを運んできます。酔った戎さまは、船の乗り、沖に出て、
大きな鯛を釣り、メデタシ、メデタシと舞い納めるのでした。太鼓のリズムに
合わせ、戎さまが楽しく舞うこの神事には、おおらかな心を持ち、えびす顔で
プラス思考に生きるという幸せの原点が込められています。