いきうつしあさがおにっき おおいがわのだん生写朝顔日記 大井川の段

あらすじ

芸州(現在の広島県)岸戸家の家老の娘、深雪は京都滞在中に宇治川の蛍狩りで宮城阿曾次郎と出会い恋に落ちますが、父の突然の帰国のため、国許に帰らなければなりませんでした。
その後、親の進める縁談を嫌い、家出をして京に戻りますが、恋人は旅立った後でした。
苦労を重ね、恋人の行方を尋ねる旅を続ける深雪は、悲しみに目を泣きつぶし、盲目の琴弾芸人となります。変わり果てた姿の深雪と、士官して名前を変えた恋人の駒沢次郎左衛門は、島田宿で出会いますが、駒沢は同僚と一緒であったために名乗れず、盲目の深雪も相手が恋人であると気づくことができませんでした。恋人からの置き手紙を宿屋の主人に読んでもらった深雪は、息を切らして後を追い、大井川にたどり着きます。ところが恋人は川を渡ってしまった後で、しかも大雨のために川止めになっています。深雪が身を震わせ、目前の恋人にさえ気づくことのできなかった我が身の不幸を嘆くのでした。