淡路人形浄瑠璃を受け継いで

淡路人形浄瑠璃を受け継いで

淡路人形浄瑠璃の後継者を育成すべく、淡路人形座の座員が子ども会や小中学校、高校の部活動、青年グループなどに直接指導を行っています。活動を通し、現在ではたくさんの後継者が育っています。

また、地域の木偶(でこ)作りサークルでは、かしら作りの伝統技術を継承するとともに、作品展などを通じ淡路人形浄瑠璃の魅力を伝えています。

淡路人形浄瑠璃後継者団体

市小学校郷土文化部

昭和46年、淡路人形発祥地の小学校であり、また郷土の伝統芸能の伝承を目的とした部として活動を開始しました。
浄瑠璃と人形操りの師匠の下、順調に部活動を進めていましたが、平成元年、人形を教えていた隅田正子師の逝去により、浄瑠璃のみの練習となっています。
主な公演は後継者団体発表会をはじめ、三原文化芸能祭、その他の行事に参加。
昭和52年にはテレビラジオ放送コンクールで日本代表として世界の放送局で放映され、世界第2位になりました。

所在地 / 兵庫県南あわじ市市福永345-1
創 立 / 昭和46年
指導者 / 鶴澤友弥

福井子供会人形浄瑠璃部

昭和46年、鶴澤友路師匠のご指導でまず浄瑠璃の練習を、翌47年には隅田正子師のご指導により、人形操りの練習を始めた。週1回、両師匠の熱心なご指導と、子供たちの真剣な練習により、活動を続け毎年十数回、各地で練習の成果を披露している。
平成元年、兵庫県、南淡町、淡路人形協会並びに関係各方面の絶大な支援により、南淡町子供人形浄瑠璃館が完成した。

所在地 / 兵庫県南あわじ市賀集福井392
創 立 / 昭和46年
指導者 / 竹本友庄, 吉田廣の助

三原中学校郷土部

昭和58年、地元の熱意に動かされて、伝統継承を目的とした郷土部が浄瑠璃の同好会として創設され、語りの練習を開始。
翌年、部活動として正式に認められ、淡路人形協会より、人形の寄贈も受けて、本格的に部活動として出発しました。
現在では「人形・語り・三味線」の三業全てを生徒自身がこなし、「生写朝顔話」、「伊達娘恋緋鹿野子」、「鬼一法眼三略巻」、「戎舞」、「寿式三番叟」、「傾城阿波の鳴門」の6外題を演じている 語りと三味線は、座員の鶴澤友勇、人形は吉田徳蔵が指導している。
毎年、地元をはじめ、島内外で、約30回の公演を行っており、部員たちは郷土文化の継承者として毎日の練習に励んでいます。

所在地 / 兵庫県南あわじ市市十一ヶ所14-12
創 立 / 昭和58年
指導者 / 鶴澤友勇, 吉田徳蔵

南淡中学校郷土芸能部

昭和58年、旧南淡町の統合開校と同時に郷土芸能部が創部されました。
現在は「絵本太功記」「壷坂観音霊験記」「日高川入相」「戎舞」の4外題を上演している。
人形はもちろん太夫・三味線・3つの部門を生徒自身が自主的に活動し、淡路人形浄瑠璃の継承を行っている。
創設当初、三味線と語りを「人間国宝」の鶴澤友路師、人形操りを吉田東太郎師に学び、両師匠の弟子が指導を続けている。
生徒自身が後継者として、技だけでなく、企画から舞台づくり、そして宣伝・広報活動の力をつけ、人形芝居を地域はもとより全国へとプロデュースできるよう努めている。

所在地 / 兵庫県南あわじ市潮美台3-1
創 立 / 昭和58年
指導者 / 吉田光太郎, 鶴澤友吉

淡路三原高等学校郷土部

昭和27年、郷土部が創部されました。
昭和33年のソ連公演をはじめ、淡路人形座の海外公演にも部員が参加している。
昭和57年に、校舎内に人形会館を建設。
平成5年度・10年度には全国高校総合文化祭で、人形・浄瑠璃・三味線の三業すべて生徒が演じたことが評価されて優秀賞(文化庁長官賞)を受賞し、優秀校東京公演に招かれて、東京・国立劇場の檜舞台に立った。
現在も国内外で年間約20回の公演を行う。

所在地 / 兵庫県淡路三原高等学校郷土部
創 立 / 昭和27年
指導者 / 竹本友喜美, 吉田新九朗

淡路人形浄瑠璃青年研究会

昭和46年、三原高校郷土部出身者が淡路人形研究会(昭和52年に現在の「淡路人形浄瑠璃青年研究会」と改称)として発足した。
昭和53年東京九段会館「第二十七回全国青年大会郷土芸能の部」に出演し「優秀賞」を受賞。兵庫県より「ともしびの賞」を受賞。
現在は、三原高校郷土部出身者以外のメンバーも加わり活動を続けている。

所在地 / 兵庫県南あわじ市市十一ヶ所14-12 三原中学校内錬成場
創 立 / 昭和46年

淡路人形芸舞組

平成14年、当時の現役高校生が集まり「南淡中学校郷土芸能部OB会」を発足。平成18年に再度メンバーを募り「淡路人形芸舞組」に改名し、社会人の後継者団体として活動を再開した。
主な外題は「戎舞」で、毎週練習を重ねながら日々技術の向上に努めている。
毎年1月10日早朝に西宮神社で行われる「福男選びレース」では戎の人形を操り、ゴールの境内で参加者たちに祝福を施したのち、会館で「戎舞」を披露するのが「十日えびす」の恒例となっている。
その他近畿圏内を中心に島内外で公演活動を行なっている。

所在地 / 兵庫県南あわじ市市十一ヶ所14-12 三原中学校内錬成場
創 立 / 平成18年

木偶(でこ)作りサークル

小林六太夫研究会

淡路人形芝居の小林六太夫座があった洲本市鮎原で平成5年に、郷土文化継承のため、当時の鮎原公民館長が有志を集め、かしらの制作を目的とした小林六太夫研究会が創設させる。
創設時の指導者は西口勝氏。
鮎原公民館の一室を借り、現在は指導者が不在で会員同士互いに批評し合いながら、楽しい雰囲気の中で「かしらづくり」に取り組んでいる。
かしらの製作を主体に活動していますが、淡路人形芝居の歴史等の勉強や地域の文化祭、県民局や淡路文化会館主催の作品展にも参加している。
また、鮎原小学校の児童に小林六太夫座のことや淡路人形芝居の歴史、人形の操り方を説明する等、地域文化の継承をしている。

所在地 / 兵庫県洲本市五色町鮎原南谷59 鮎原公民館
創 立 / 平成5年
お問い合わせ / 0799-32-0382(鮎原公民館)

淡路木偶づくり講座

三原高校郷土部が創部30周年を迎えるのを機に、昭和56年、三原高校の美術部生徒と有志の職員によって「三原高校淡路人形木偶人形の会」が発足し、鳴門市の人形師作本峰雲氏を迎え、活動が始まる。
昭和58年度からは、地域の方々の参加を募り「三原コミュニティカレッジ木偶づくり入門講座」がスタートとし平成22年度からは、活動場所を南あわじ市淡路人形浄瑠璃資料館に移し活動を続けている。
作本氏引退後は藤野良一氏が指導にあたる。
作品展や制作実演への参加、後継者団体の人形修理・製作協力なども行っている。

所在地 / 兵庫県南あわじ市市三條880 淡路人形浄瑠璃資料館
お問い合わせ / 0799-42-5115

淡路人形浄瑠璃 小中学校への意識調査 及び 座員のライフヒストリー調査経過報告

平成29年度文化庁「文化芸術振興費補助金」(文化遺産総合活用推進事業)普及啓発事業 淡路人形浄瑠璃後継者未来塾

淡路人形協会では、上記の文化庁の補助をいただき、淡路人形浄瑠璃の後継者団体の部員を増やし、淡路人形浄瑠璃を未来につなげようと園田学園女子大学の大江篤先生と上椙英之先生による淡路人形座の座員の聞き取り調査を実施しました。