本日から通常公演が『本朝廿四孝 狐火の段』・『日高川嫉妬鱗 渡し場の段』に変わります。
上演の詳細は下記をご参照くださいませ。
22日から31日まで
●通常公演
 演目「本朝廿四孝 狐火の段」
  10:00~
  11:00~
●通常公演
 演目「日高川嫉妬鱗 渡し場の段」
  13:00~
  14:00~
  15:00~
「本朝廿四孝 狐火の段」  解説・あらすじ
■解説
川中島の戦いで有名な、上杉謙信と武田信玄の確執を扱った作品で、明和
三年(一七六六)に大坂竹本座で初演されました。近松半二らによる合作で、
今日も頻繁に上演される人気狂言です。近松門左衛門の『信州川中島合戦』
等先行作品の影響を受けていますが、新たに斉藤道三による足利将軍暗殺な
どを絡ませ、全五段を巧みに構成しています。『本朝廿四孝』という外題は、
中国の故事「廿四孝」の日本版という意味で、三段目にその故事が取り入れ
られています。
奥庭狐火の段は、四段目の切場「十種香」(謙信館)の後半ですが、現在で
は独立させることが多くなっています。三味線一棹だけの演奏ではなく、琴
や連れ弾きの三味線の伴奏も入り、また人形も、人形遣いの衣装が早替りす
るという演出があり、人形芝居独特の魅力溢れる華やかな舞台となっていま
す。
■あらすじ
越後の武将上杉謙信の娘八重垣姫と、甲斐の武将武田信玄の息子勝頼は、
足利将軍の仲介で婚約していました。ところが将軍が暗殺され、両家に疑い
がかかり、犯人を見つけ出せなかったために、勝頼は切腹を命じられてしま
います。悲しみに暮れる八重垣姫でしたが、死んだのは偽者で、本物の勝頼
は花作りに身をやつして生きていたことを知ります。しかし父謙信も、その
秘密を知り、勝頼に刺客を差し向けるのでした。
(今回の上演は、以下謙信館奥庭の場面)八重垣姫はそのことを勝頼に知ら
せようとしますが、女の足では刺客に追いつけず、諏訪湖は凍っているため
船を出すこともできません。そこで奥御殿にまつった諏訪明神の力が宿る兜
にお祈りすると、不思議な事に狐が現れます。八重垣姫は兜を手にして、こ
こかしこに燃え立つ狐火を力に、勝頼のもとへと急ぐのでした。
「日高川嫉妬鱗渡し場の段」  解説・あらすじ
■解説
紀州道成寺の鐘にまつわる安珍・清姫の伝説は、能の『道成寺』をはじめ、様々な芸能の題材になっています。人形浄瑠璃でも、寛保二年(一七四二)
大坂豊竹座初演『道成寺現在蛇鱗』(浅田一鳥・並木宗輔合作)や、宝暦九年
(一七五九)大坂竹本座初演『日高川入相花王』(竹田小出雲・近松半二ら合
作)などの作品が生まれましたが、現在伝承されている「渡し場の段」は『道
成寺現在蛇鱗』四段目中「清姫日高川之段」を改作したものです。なか
かつて淡路の人形座では、『日高川入相花王』を通し上演する際に、渡し場
の場面だけは、この『道成寺現在蛇鱗』の改作の方を取り入れ、外題を「日
高川入相花王」あるいは「日高川嫉妬鱗」として上演していました。現在の
文楽では、「日高川入相花王渡し場の段」として上演されることが多いです
が、原作『日高川入相花王』にはこれに該当する部分がありませんので、こ
こでは淡路の伝統的な外題を採用し、『日高川嫉妬鱗』として上演します。
■あらすじ
皇位継承をめぐる争いから命を狙われる身となった桜木親王は、山伏安珍
となり、紀州真那古の庄司の家にかくまわれていましたが、恋人の姫君と再
会し、二人で庄司の家を出て、道成寺に向かいます。実は親王の身分である
とは知らずに安珍を慕っていた庄司の娘清姫は、そのあとを追いかけ、日高
川のほとりに辿り着きました。岸に一艘の船があり、清姫は船頭に川を渡し
てくれるよう頼みます。しかし渡さないよう安珍に頼まれていた船頭は冷た
く断ります。愛情は憎しみとなり、清姫は嫉妬に狂って髪をふり乱し、つい
に大蛇に姿を変えて川を渡ってゆくのでした。